安曇野气船 宮原 毅

大学時代、熱気球サークルに出会ってから、かれこれ20年以上の年月が経過しました。

その当時、いろんなサークルがある中で、一生できそうなもの、
長く続けられそうなものかもしれないなあ、ありきたりではなくて面白そうだし、
なかなか普通ではできない代物だなあ・・・
そんな第一印象が、そのまま結果として現在の生業につながってきたこれまでの経緯を
振り返ると、この企画は自分のとっても頑固な性格を象徴しているんだろうなあ、と痛感します・・・。

私が入った熱気球クラブは、その年(1992年)に佐賀で開催される熱気球世界選手権に
日本代表として二人のパイロットが参加することになっていて、
熱気球のことは何もわかりませんでしたが連れて行ってもらいました。

そこで見た様々な光景や、外国から参加したプロフェッショナルのパイロットや
チームやスポンサードされた多くの熱気球を見て、こんな世界があるのか!
熱気球で生計をたてている人が世界にはたくさんいるんだ、
ということを知り感動したことを憶えています。これが大きなきっかけとなり、
学生時代に熱気球パイロットライセンスを取得し
日本各地で開催される熱気球大会に参加しながら観光も楽しみ、
その後は熱気球関係の仕事をされている方々にお世話になり、
その世界のプロフェッショナルと呼ばれる人たちと接する機会にも恵まれ、
あんなこといいな、できたらいいな、という夢物語を、
どうしたら実現できるか、自分なりに考えて行動し、
多くの人たちに支えられながら今日までなんとかやってくることができました。

 

観光地を多く抱える長野県の長野市出身ということで、
長野県内各地に熱気球を持ち込んでやってみた中で、
観光と熱気球の視点からみたとき、安曇野・穂高が最もふさわしい、との結論に至りました。

海洋民族が移り住んだという伝説のある安曇野は昔は海だったという説があり、
熱気球は空に浮かぶ船!ということで、今は陸地となっている地で屋号を
“船会社”のイメージがわく“安曇野气船”と命名して、
熱気球やボートなどの体験型観光を展開してきました。

(当社3号機12人乗り)

日本の屋根と呼ばれる北アルプス山麓でのフライトは風が安定し、
信州の重なり合う山並みは熱気球でなければ見ることができない独特の風景です。

視界が良ければ北アルプスはもちろん、遠くには南アルプスや八ヶ岳、浅間山、
高高度まで上昇できれば富士山を臨むことができます。
また、薄い霧が発生すれば雲海を眼下にすることもあります。

安曇野は散居村が広がり、独特の情緒が漂うエリアです。
農閑期に地元の皆様のご理解のもと、フライトさせていただいていることに改めて感謝申し上げます。

北アルプス山麓の自然の恵みを体感していただく一助にしていただけましたら幸いです。

皆さまのお越しをお待ちしております。